アパレル業界で培ったスキルを活かし、ブライダル業界へと転職したKさん。現在は株式会社トリートでフロアディレクター兼ドレスコーディネーターとして活躍されています。アパレル販売員からドレスコーディネーターへと転身した理由、現職で感じるやりがい、そして今後の目標についてお話を伺いました。
アパレル業界で働いていたときから、お客様の魅力を引き出すことにやりがいを感じていました。でも、もっと「お客様の人生に深く関わる仕事」がしたいという思いがずっとあって。
結婚式は、お客様にとって大切な人が集まり、一生心に残る特別な瞬間。その中でも、ウェディングドレス選びは新婦様が自分と向き合う大切な時間です。お衣装が持つ力のすごさをアパレル業界で実感していたこともあり、「ドレスを通じて感動を届ける仕事がしたい」と思うようになりました。
絶対に譲れなかったのは、自分が心から素敵だと思えるものをご提案できるかということでした。
アパレル時代も、お客様に似合うものをご提案するのは楽しかったんですが、ファッションは流行があるし、一時的なもの。でもウェディングドレスは、一生の思い出として残る特別なものです。だからこそ、自分が心から「これが美しい」と思えるものをお客様にご提案したいと思いました。
それに、「満足を提供する仕事」ではなく、「感動を届ける仕事」をしたいというのも大きな理由でした。アパレルでは、お客様のニーズを満たすことが求められましたが、ブライダルでは、その先の人生に残る体験を創ることが求められます。その違いに惹かれ、もっと自分のスキルを高めたいと思うようになりました。
すごく感じますね。特に「お客様のニーズを察知する力」と「提案力」は、アパレル時代に培ったもので、今の仕事にもすごく活きています。アパレルでは、お客様が言葉にしないニーズの中のニーズを引き出し、それに合わせた提案をすることが求められました。ドレスコーディネーターの仕事もまさに同じで、想像以上の提案をすることが大切なんです。
例えば、お客様が「レースのマーメイドがいい」と仰っていても、お話を伺うと「ゲストにどう見られたいか」をすごく気にされていたりする。そんなとき、私はあえて違うデザインをおすすめすることもあります。
実際、あるお客様にそういうご提案をしたら、試着した瞬間に涙を流されて、「これが私の運命の一着だったんですね」と仰いました。その後、なんと結婚式にご招待までいただいて…。こんな経験ができるのは、この仕事ならではの魅力ですね。

本当にその通りですね。他にも、アパレル時代に多くの女性を見てきた経験も活きています。お客様がどんな雰囲気を持っているのか、どういうスタイルが似合うのかを直感的に判断できるようになったのは、アパレルで培った経験があったからこそだと思います。
特に、トータルコーディネートの視点を持てることは大きな強みです。ドレスだけではなく、「その女性に合うヒールの高さ」や「アクセサリーのバランス」まで自然と考えられたのは、アパレルでお客様にトータルスタイリングを提案していたからこそだと感じています。
お客様が骨格診断やパーソナルカラー診断を学んでいるケースも増えており、知識面での提案に苦戦することがありました。しかし、それを乗り越えるためにさらに深く学び、その人自身の魅力を引き出す提案を意識するようにしました。
また、成績に対するプレッシャーを感じることもありましたが、数字よりも「お客様満足度」にフォーカスすることで、自然と結果もついてくるようになりました。
私は「今の自分で十分」と思ったことが一度もありません。常に学び続けることが当たり前だと捉えています。
最新のドレストレンドはもちろん、骨格診断やパーソナルカラー診断、心理学的な接客スキルも勉強しています。ありがたいことに、よくお客様から「なんでこんなに私にぴったりのドレスを選べるんですか?」と言われることが多いですが、それは日々の研究と実践の積み重ねがあるからこそ、だと感じています。
それに、ただドレスを紹介するだけじゃなく、ブランドの歴史やデザイナーの想いまで伝えられるように、海外のコレクションや展示会情報にもアンテナをはるようにしています。
私が最も大切にしているのは、お客様の魅力を最大限に引き出すことです。
例えば、お客様がコンプレックスに感じている部分があったとしても、私はそれを隠すのではなく、その方の個性として活かすことを大事にしています。「二の腕が気になる」とおっしゃるお客様に対して、単にそれをカバーする袖のあるドレスを勧めるのではなく、「このシルエットなら、腕のラインが美しく見えますよ」とポジティブな視点でご提案するようにしています。
また、自分自身が本当に美しいと思えるものしかお客様に勧めないという信念を持っています。だからこそ、自分の審美眼を磨くために、ハイブランドのコレクションを見たり、美術館や建築を巡ったりと、日常の中で感性を研ぎ澄ます努力を欠かしません。

「Kさんにお願いしたい」と言ってもらえるドレスコーディネーターになることです。現在は提携会場からの紹介でお客様を担当しますが、私のスキルを磨いて、もっと指名をいただけるようになりたいです。
また、私の憧れはトリートの創業者・山城葉子さんです。山城さんは、ウェディングプランナーからドレスの世界へ飛び込み、インポートドレスを日本に広めました。海外のデザイナーと直接交渉し、本当に素敵なドレスだけを揃えるという信念を貫いた方です。
山城さんの言葉には、すごく重みがあるんです。同じことを誰かが言ったとしても、山城さんが話すと全然違う説得力がある。おそらくそれは、彼女が自分の経験を通して本当に大切にしてきたことを言葉にしているからなんだと思います。
私も「心から美しいと思えるものを、お客様にご提案する」という軸を持ち続け、成長していきたいです。
経験や経歴は関係なく、「お客様を幸せにしたい」という想いが一番大切です。アパレル業界ではリピーターのお客様と長く関係を築けますが、ブライダルは「一生に一度のご案内」。でも、その関係が結婚式後も続くこともあります。
私もお客様から結婚式後にアルバムを見せていただいたり、ご自宅に招いていただいたりすることがあって、そういう瞬間に「この仕事を選んでよかった」と心から思います。ぜひ、一歩を踏み出してみてください!
日本で初めてシルク100%のレンタルドレスの取り扱いに挑戦※した
THE TREAT DRESSING(ザ・トリート・ドレッシング)を運営している会社。
「日本の花嫁をもっと素敵に、もっと美しく」という想いのもと、心からおすすめできる「本物のドレス」だけを揃える圧倒的な世界観で多くの花嫁様を虜にしており、日本のドレス業界を先導しています。